上手なハンドリングとは
フィギュアの一丁目一番地、ハンドリングについて説明しますよ。
「フィギュア=ハンドル回し」というイメージがあると思います。まあ、あながち間違っていないです。はい。
いやハンドル回すのマジ辛いんですけど。何が楽しいのか本当に分かりませんわ。ってかハンドルでそんな差がつくんかね。
はい、まず上手なハンドル回しについてお伝えしましょう。
ハンドリングが上手いことによるメリットは大きく三点あります。
①速い
これはもうそのままですね。早い人だと、ロックロック(全切りから反対の全切りまでハンドルを回す行為)10回で、ざっくり小四:10秒/小貨:20秒 くらいで回しちゃいます。でも始めたばかりだと、その倍くらい時間かかりますよね。
試合で使うコースは、大体40回くらい切り返しがあります。そうすると、小四であれば40秒くらいは、どうやっても埋まらない差になっちゃうんですね。辛い。
当たり前ですけど、ハンドリングは速いに越したことはありません。
②疲れない
実はこれ、結構大事です。ハンドルが重いーーと思いながら回してたら、走る方に神経が向かないですよね・・。口笛を吹きながら回せるくらいになると、走りにも余裕が持てるようになります。
試合の時に必死の形相でハンドル回している人が(以外と強豪校でも)いますが、私はあまり好みません。普段の練習ではしっかり回してほしいですが、8割くらいの力で人並以上に回せ、むしろ本番はコース攻略に注力するくらいの余裕が欲しいものです。まあこれは好みの問題です。
そして疲れないハンドリングのためには、ハンドル速度を一定に保つことがとても大切です。車も加減速すると燃費が下がりますよね。同様に、ハンドリングの場合にも、ハンドルのスピードが上下すると疲れます。自分のハンドリングを一度動画に撮ってみて、ハンドリングのスピードが変わってないか、気にしてみてください。
また、上級者であれば、ハンドリングの途中でシフトを入れることになると思いますがその際スピードが遅くなりがちです。でもこの記事は初心者向けなのでそこは割愛ー。
③周囲からの情報が多い
これ一番大事です。速さより何より大事です。
ハンドリングの練習でロックロックをする方も多いと思いますが、この時、間違ってもハンドルを見ながら練習しないでください。
ハンドルを見てしまうと、せっかく車が停止しているときの車窓やミラーの情報を見逃すことになります。これはその後の動きのスピードや精度、リア確など、あらゆる面で不利に働きます。目隠ししながらフィギュアしているのと一緒ですから。
ハンドリングの型がキレイでも汚くてもよいですから、ハンドルはノールックで回すようにしましょう。そして、まわしている間は車窓やミラーを見回すようにしましょう。
で、どうやるの?
上の3点を満たせるならなんでも良いですよ。
それじゃあ答えになってない!もう一声!
ハンドルはね、押しハンドルが基本です。引きハンドルより押しハンドルの方が、持続力があります。押しハンドルというのは、例えば左回しであれば右手、右回しであれば左手のことですね。
実験してみましょう(押しハンドルvs引きハンドル)
例えば左回しで考えます。右手のみで回した場合と、左手のみで回した場合、どちらの方が楽でしょうか。
左利きだろうが右利きだろうが、右手の方が楽だと思います。なぜでしょうか。
上の図で説明しますね。右手で回すとき(押しハンドル)の可動域が緑線、左手で回すとき(引きハンドル)の可動域が黄色線です。多少の個人差はあれど、右手の方が可動域が広いのが分かると思います。左手は、ハンドルを右下から持とうとしたら肩が外れそうになりますし、左下では「ガムテープデスマッチ」状態になっちゃいますね。
要するに、押しハンドルの方が、ハンドルに入力していられる時間が長いんです。一方で引きハンドルは入力できる時間が短いですから、持ち替えをより頻繁にしないといけませんね。持ち替えは腕を動かすために筋力を使いますが、ハンドルへの入力はゼロ、すなわちエネルギーの浪費です。どちらがより省エネか、明らかです。
さらにさらに。
上の図で緑線が切れている部分、ここにもポイントがあります。緑矢印の先端まで右手が来たら、その場で小指を中心に右手をクルンと時計周りに回転させましょう。そしてすぐ緑矢印の始点部分(ハンドルの真下)でまたハンドルを持ち、回し始めます。
そうすると、実は右手だけでハンドルは回せちゃうんですね。
あ、手の平で持ち変えるのはあまり好ましくないです。いわゆる観音式てやつですね。ヤンキーみたいです。今はルール上同乗減点は取られない(はず)ですが、うーん。って感じです。まあ好みです。トラディショナルフィギュアでは禁じ手でした。
引きハンドルの立場は・・・
最後に、右手にマウントを取られてしまった左手ですが、疲労と速度を考えると、右手有利と言えども、最大限左手にも頑張っていただきたいところです。特に、右手のみで辛くなる部分で、左手の援軍が欲しいですね。
ですから、右手が緑線の終点、少しマージンをもって時計の9時あたりまできたところで、左手は黄色線の始点であるハンドル右側(時計の3時)でクロスしてあげましょう。そこから左手が9時に来るまでは、左手のターンです。右手は持ち変えて、6時を掴みましょう。
これを繰り返す方法が、緑線と黄色線を最も同時に長く使用しているので、理屈上一番疲労が少なく速い、と私は(今のところ)信じています。
動画で見せて。文字じゃ分からん。
ちょうど良い動画がなくてすんません。そのうち撮ります。多分。
これは左回しの例ですが、右回しでは右左手が逆になります。押しハンドル、引きハンドルの役割分担は変わらずです。やる事も考え方も同じ。押しハンドルを中心に考えれば良いんです。
・一定速を保つ!
・ハンドリング中にハンドルを見ない!
本当はシーポジの話もしたかったけどもう長すぎるので無理!
まあこのハンドリングがし易い場所を探ってみてください。
ご参考説明動画
以前作った説明動画を載せておきます。同じようなことをだらだらしゃべってます。