前回は基本3ボックスについてお話しました。
次はいよいよ応用4ボックス・・・と行きたいところですが、ちょっと待ってください。今回はその前に「修正」を学んでおきましょう。
なぜここで「修正」の話?
応用4ボックスでは、基本3ボックスの組み合わせをしていく、とお話しましたね。ということは、手順が(組み合わせとはいえ)少し増えます。
そうすると、ミスをして撃沈する可能性が高くなります。これはまずいですね。
フィギュア初心者にとって、撃沈(=やたら時間がかかった上にゴールするのを諦めざるを得ないこと)は大敵です。モチベーションがすり減ります。
なので、そのような事件が起こる前に、未然に防ぐ手立てを知っておこう!ということです。
修正は難しくない!修正の種類とは
先に言いましょう。修正は結構カンタンです。2つだけやり方を覚えておけば、当分はどうにかなります。撃沈はかなり減るはずです。
修正の2種類とは、①(斜め)幅寄せ ②当て です。
①「幅寄せ」
幅寄せは、文字のとおり、車を横に寄せる方法です。
上の図のように、車を4つの動作に分けて動かします。
ん?どっちにハンドル切るか分からん。
はい、覚え方お伝えします。そのうち無意識にできるようになりますが、最初はこう覚えてください。
幅寄せの方法
幅寄せは、下がりきったところからの前進又は出きったところからの後退で始まります。画像の例だと一番後ろまで下がった位置から前進スタートですね。
Step1 一手目は左右のうち、「自分が行きたい方向」に切ります。例えば画像のように右に寄せたいのであれば右に切ります。ハンドルの向きは前進でも後退でも同じです。前進、後進の選択は「行ける方」です。画像の例であれば、前にしか進めませんから、前進します。
Step2 移動可能距離の半分(前進なら前に出れる距離の半分、後退なら下がれる距離の半分)でハンドルを逆に全切り返します。
Step3 出きったら、又は下がりきったら、ハンドルを全切り返します。進行方向を逆転します。
Step4 Step2と同様です。
✓ Step1、3だけシフトが変わります。Step2、4(=つまり移動の中間地点)ではシフトは変えません。
要するに初手Step1で進む方向とハンドルの向きだけ分かれば、あとは手順どおりに実施するだけで自動的に幅寄せされます。Step1のポイントは繰り返しますが「行きたい方向に切る。進める方向に進む。」、それだけです。最初はそう言っても絶対に分からなくなりますから、呪文のように唱えましょう。「行きたい方向に切る。進める方向に進む。」です。あとはひたすら幅寄せをして体に動きを覚えこませましょう。
斜め幅寄せに進化
今学んだ「幅寄せ」をボックスに応用します。
ボックスの「辺」を使っても良いのですが、ボックスは狭いですからスペースを有効活用したいものです。ボックスの中で一番長い場所は・・辺ではなく「対角線」ですね。
なので以下の図のように、対角線(の距離)を使って「幅寄せ」します。
これを「斜め幅寄せ」といいます。フィギュアの「幅寄せ」は99%「斜め幅寄せ」です。
フィギュアで「幅寄せ」と言われたら、ほぼ「斜め幅寄せ」のことなんだね!
幅寄せの効果
幅寄せの効果は、一言で言えば体勢を良くすることです。例えば、エグれなかった時、または2回3回とエグっているときは、どんどん体勢が悪くなってきます。その時に斜め幅寄せを使うと、落ちた精度を「リセット」することができます。細かいことはまだ分からなくて大丈夫です。斜め幅寄せは「リセット機能」とだけ覚えておきましょう。
幅寄せの威力は強力で、かなり悪い体制でも一回斜め幅寄せをすると大体元に戻ります。特に、体勢が悪ければ悪いほど、修正の効果が大きくなる、という特徴があります。心強いですね。
デメリットは、Step4まであるため、面倒くさいこと。そして、体勢が良い場合はあまり効果がない、ということです。
②「当て」
「当て」修正とは、上の斜め幅寄せほど強力ではないものの、手軽に体勢を整えたい時に使います。エグる時、リア確するときの両方に使用できます。一言で言えば、曲がり切れない時に少し修正する、というようなイメージで結構です。
上の画像のように、エグろうとしたけど当たってしまった、という場合に、「当て」修正が有効です。手順としては単純で、線に当たったらハンドルを真っすぐにして少し下がります。そして再び全切りしてエグり直します。簡単ですね。下がる量は、当たる角度によりますが、最初は80cmくらい下がるようにしましょう。もしかしたら下がる量が足りずにまた当たってしまうかもしれませんが、それでも構いません。徐々に距離感を掴んでいきましょう。
なお、下がりすぎは厳禁です!エグろうとしているのに下がりすぎると、そもそもエグれなくなってしまうからです。厳密な理由はまだ考えなくて大丈夫ですから、「下がりすぎは厳禁」とだけ覚えておきましょう。
リア確で当たる時も同様です。曲がり切れなければハンドルを真っすぐにして少し前に出ます。そして再び全切りしてリア確し直します。簡単です。
「当て」修正は、「斜め幅寄せ」と異なり、ハンドルを全切りから全切りまで回す必要がなく、回すのは直進から全切りまでです。つまり、速くてラクです。そして、Stepも斜め幅寄せが4手なのに対し、「当て」は
Step1 真っすぐ下がる又は出る
Step2 再びで全切りでエグるorリア確する
の2手です。
なお、万一2回「当て」が必要になってしまったとすると、「当て」も「斜め幅寄せ」も4手ということになりますが、それでもハンドルがラクなので「当て」の方が「斜め幅寄せ」よりも速いです。
修正2つのまとめと確認問題
初心者の間は、ここまで理解しておけば十分です。
では確認問題です。
リア確の際、以下の①②の体勢では、どちらがマシでしょうか。
①だと、右に車を移動させないとリア確できないね。②だと・・?
正解は②です。正解された方は、修正について理解できていると思います。
分からなかった方は、改めて読んでみてくださいね。
①は、右に車を移動させる必要があります。従って、斜め幅寄せが必要です。
②は曲がり切れずに当たってしまっているので、「当て」です。
さあどちらを選びますか?ということです。
つまり、リア確をする際には、意地でも②の体勢にしたい、ということをご理解ください。言葉を変えると、上図のリア確では、右リアのタイヤを左リアのタイヤよりも早く線に当てたい、ということです。
もし左リアが先に当たってしまうと、その状態を「被り(カブり)」といいます。被ると、幅寄せが必須になりますから、面倒です。スパークプラグと同じで、カブりたくはありません、と覚えておきましょう。
!?
修正についての説明は、一旦ここまでです。
修正ができれば、どんどんできることの幅が広がっていきます。是非効果を感じてみてください。
次はいよいよ残りの応用4ボックスをやっつけますよ。