前の記事では、ボックスの全7パターンのうち、基本3パターンと応用4パターンについて説明しました。
この記事では、基本3パターンの具体的な攻略について書きたいと思います。
まだ読まれていない方は、前記事を先に読まれることをお薦めします。
パターン①「対面派生」
お手本動画「対面派生」
お手本動画も載せておきますね。さすがに通り方まで細かくお伝えするとキリがないので、通り方が分からない場合は動画を見て真似してみてください。
この動画接ってないか、という説ありますがスミマセン 動画これしかなかったもので・・
大事なルール(以下共通)
ここで初心者用の大事なルールです。全7ボックス共通です。
最初は以下2点を守って練習すると良いと思います
(お手本動画は一部守っていないですが許してください。)
②ハンドルは常に全力で回すこと
③動きながらハンドルを切らないこと
ハンドリングについてこちらの記事で書いていますので、必要に応じてご参照ください。
①③の理由は、舵角や車速によって車がどう動くか、最初は分かりにくいからです。全切りや真っすぐ以外の中途半端な舵角や、中途半端な車速を使用しても、混乱を来してしまいます。なので、初心者のうちはあえて全切りと真っすぐのみを停止時のみ使用し、車の軌跡のイメージを付けましょう。
目標タイムはナンボですか!!!
気なりますね。
まずは3回連続70秒以内にチャレンジしましょう。
よりチャレンジングな方は、3回連続60秒以内にチャレンジしてみましょう。
「接」「脱」があったらやり直しですぞ!
あの・・・時々は目標タイムをクリアできるんですが、連続だと難しいです・・。特にリア確で3回に1回くらい爆発します・・・。
でしょうね!そこで次はこんなプログラムがあります。
リア確トレーニング
リア確で爆発する方は、是非これを試してみてください。
初心者でありがちなのが、エグり(ナメ)まではできるけれど、その後リア確が全然入らずタイムオーバーするパターンです。
そこで、リア確だけに特化してトレーニングを行います。
点線丸円の中にランダムに車を置き、そこからリア確します。
ランダムが難しければ、練習しているボックス(=ここでは対面派生)でのリア確前の位置を再現し、そこからリア確だけを練習しましょう。
リア確でのコツは、線側(上図だと自サイ側)に一度当ててしまうことです。そして少し真っすぐ前に出て全切りで下がります。間違っても線ではない側(上図だと逆サイ側)に寄らないようにしましょう。逆サイ側に寄ってしまった状態は「被り(カブり)」といい、フィギュア界では忌み嫌われる状態になります。
このように、苦手な箇所をピンポイントで練習することは、練習効率の観点から非常に有用です。ぜひトライしてみてください。
エグりトレーニング
毎回エグりの精度がブレてその後ガタガタになってしまうのですが、どうすればよいでしょうか・・・。
はい、これも再現性の問題ですね。車とコースの大きさにも寄りますが、多くの場合、小四であれ貨物であれ、1手目のエグりは少し前進してから全切りをする場合が多いと思います。初心者のうちは、ここがブレると災いのもとですから、毎回
①一定の距離だけ前進 ②そこで停止して全切り
することを意識してみましょう。同じ動作をすれば必ず同じ場所にたどり着くはずですね。
(ここだけ中級者向け)
ちなみに長くなるのでお話しませんが、そもそもなぜエグるのか、というのは非常に基本的かつ大事なポイントですね。これは、「具体的にどこを見てエグれているか否かを判断するのか」という話にも繋がりますが、意外とバリバリ選手の方でも認識していなかったりします。コースフィギュアでは使うことが間々ある考え方ですから、ピンと来ないときは是非上級生に聞いてみてください。良くある答えは、「車を寄せるため」とか「ケツを向けるため」とかです。まあ大きく間違ってはいないと思いますが、それでは「どこを見てエグれているか否かを判断するか」の答えにつながりません。もう少し具体的に踏み込んだ答えを是非見つけてください。
パターン②「対面」
次は対面です。こちらは少しトリッキーですね。頑張ってエグると事件が起こります。
ここは、StartとGoalの間を半分に割って、上下対称になることを意識するとやりやすいと思います。ちょうど中間地点で車が真中にいる状態を作る意識ですね。
こちらもお手本動画を貼っておきます。
目標タイムは3回連続45秒です。
なお、あくまで初心者用なのでこのような説明をしていますが、上級者になると考え方を丸っきり変える必要がある、非常に奥深いボックスです。
私はこのボックスがどの他のボックスより奥深いと考えています。今は気にしないでいいです。私がコーチをすると、このボックスを手を変え品を変え永遠にやらされることになるでしょう・・。
お手本動画「対面」
パターン③「立て直し」
次は立て直しです。これは動画がありません。ゴメンナサイ。
立て直しは文字通り車を90度回転させる方法です。この時のリア確は、2m程度と、通常よりも20-30cmほど長くしていただいて構いません。
実際にはこれ単体で大会に出題されることはほぼなく、他のパターンとの組み合わせで出てきます。ただし、立て直しはその後の結果を大きく左右する重要なポイントに配置されがちですので、ここで単体で学んでおきましょう。
大切なのは、1手目で大きく出すぎないことです。
目標タイムは3回連続40秒です。
また、ここからは中級者向けになりますが、立て直しは単に向きを変える、という意味だけではなく、エグりの右回転左回転を入れ替えるという機能があります。とても重要なポイントながら、書き始めると本当にきりがなくなるので、ここでは割愛します。気になる方は、昨年の全日本学生運転競技大会の大会プログラムに記載されている木村先輩のコラムをご覧ください。
基本ボックスまとめ
ここまでで基本ボックスをざっと流しました。初心者のうちは、やり方を覚えてしまい、ある程度理解が進んだ段階で「なぜ」を追求していくと良いと思います。
実際、ここまでお話してきてアレですが、入賞以上の選手たちはおそらくここに書いてあることを何一つ守ってないと思いますし、そうあって欲しいと思います。
でも、基本はあくまでお話したとおりです。それがベースに無ければ、基本を崩すことも上手くいきません。遠回りと思わず、まずは基本三原則「①真っすぐか全切り②ハンドル全力③止まってから切る」を守ってみてください。
本格的に修行になってきましたな!!今が一番心の折れる時期。
でも誰もが通る道だから、不安にならずにがんばろう! でゅとろ