今回は前回に引き続き、ボックスの練習方法について書いていきたいと思います。
ボックス練習のメリットや練習の効果についての総論は、前の記事をご覧ください。
全てのボックスに共通する練習鉄則→タイムを計ること!
まず練習鉄則として、必ずタイムを計ってください!
タイムを計らずにボックスを練習している姿をいろいろな場面で見かけますが、それは本当にやめた方が良いです。理由は2つ。
タイムを計る理由①「良い時と悪い時の差を見る」
まず、良い時のタイムも悪い時のタイムも、その人の成長過程を示すバロメーターになること。良いタイムだけをどうしても追いかけがちなのですが、実は悪いタイムの方が大切だったりします。
悪いタイムが大事ってどういうこと??良いタイムを出せば良いんじゃないの?
はい、皆さんは試合で「上手くいかなかったー」という経験はないでしょうか。緊張する試合というのは大体そんなもので、全部が上手くいくことはあり得ないんですね。つまり悪い時に悪いなりにまとめる技術が必要になります。前の記事で上級者は対面ボックスが悪くても25秒以内を目標にしよう、という例を出しましたが、これはまさに「悪い時」に「悪いなり」にまとめられるかを見ているのです。
上達してくると、ベスト(あるいは平均)のタイムとワーストのタイム差が縮まってきます。逆に、初心者中級者のうちは、この差が大きく開きます。そして、その開いた差の中にこそ、上級者になるためのヒントが隠されていると思います。
うわっ、ミスった!というときにこそ、なんでミスった、どうしてミスった、どうやったら防げた、どうやったら挽回できた、というのを考えるチャンスだということです。
ですから、ベストとワーストの差を把握するためにも、常にタイムを計っておくことが有用だと考えます。
もちろん、通り方を熟考したいケース等は、この限りではありませんが。
タイムを計る理由②「モチベーションUP!」
もう1つの理由は、ずばりモチベーションアップです。届きそうで微妙に届いていない目標タイムを設定することで、練習のモチベーションを上げることができます。
ボックス1つだと単調な練習になりがちで、すぐ飽きてしまう人もいるでしょう。しかし、それで十分にボックスを練習できていないのにコースに出てしまったら、前の記事でお話したとおり成長が遅くなるでしょう。
モチベーション維持のために、是非タイムを計り、そして周りとも競ってみてください。
ボックスごとの具体的な目標タイムは次の稿で(多分)書きますが、私のお薦めは、「少し緩めな目標タイムを3回連続でクリアできたら合格として次のボックスに進む」方法です。
高すぎる目標はやる気が削がれてしまいますから、絶妙になかなかクリアできないくらいの目標だとちょうど良い塩梅になると思います。
・絶妙な目標設定でモチベーションを高く保とう!
ボックスの種類について
さあ、いよいよボックスの具体的な説明に入っていきますよ。
そもそもボックスって何パターンあるの・・・??覚えきれないよ・・。
うん、気持ちわかります。でも我慢して少し聞いてくださいね。
正確に言うとこれの鏡写しがあるのでそういう意味では14パターンですが、動きを鏡写しにするだけなので割愛しますよ。動きの質が違う、という意味ではあくまで7パターンです。
7!!!!!むり!!!!
はいはい了解です。そうしたら、さらにその中でも3つだけ、まず覚えましょう。
STEP1 特に大事な基本3パターン
まずは、上の赤い3パターン、すなわち「対面派生」、「対面」、「立て直し」を攻略しましょう(以下「基本3パターン」といいます)。他の4パターン(以下「応用4パターン」といいます)は、上の基本3パターンの組み合わせで表現することができます。
基本3パターンだけなら、何とかできる気がする!
まずは基本3パターンを全て1分切りできるように練習してみましょう。
STEP2 残りの応用4パターンは組み合わせだけ
もしそれができれば、残りの応用4パターンは基本3パターンを組み合わせるだけです。もう一度上の図に戻ってください。応用4パターンには、それぞれ対角派生「①+②」など、組み合わせが書いてありますね。このように、基本3パターンを組み合わせることで、応用4パターンは全て表現することが可能です。
つまり、応用4パターンは通り方を覚えなくても、ある程度やるべきことは分かるのですね。例えば、①+②「対価派生」であれば、①「対面派生」をして(=本来リア確がないところにリア確をして)、②「対面」をすれば問題ありません。
この方法であれば、本当に基本3パターンを文字通り組み合わせるだけですから、基本3パターンをそれぞれ1分以内にゴールできるようになっていれば、理屈上全てのボックスを2分以内にクリアすることはできるようになった、ということですね。中間地点で余計なリア確をしていても、です。素晴らしい。
STEP3 応用4パターンで余計な部分を省く
そして最後のステップとして、応用4パターンで余計なところへのリア確(例えば①+②であれば、①で一度余計なところにリア確し、その後②をしますから、その中間リア確は不要です)を省いて繋げてあげれば完成です。
詳細は順々に説明しますから、まずは大きな流れだけ掴んできましょう。
「7パターン覚えるぞうおぉぉぉ!むりぃぃぃぃ!!!」
↓
「なんだ3パターンが基本なんか(すん)」
となればOKです。
ちょっと蛇足ですけど、この3パターン、結構バカにできないんですよ・・。表彰台常連の方々も、実はこういうところで差がついたりしていますから・・。何事も舐めちゃいけません。基本が大切です。
次の記事からは、一つ一つのボックスについて見ていきましょう。
ご参考
またまた以前このあたりのことを語ったラジオ動画がありますので、ご参考まで置いておきます。もし興味がある変人さんがいらっしゃいましたらどうぞ。